HTMLは4から5へ
ブラウザの進化にともなう変更
ブラウザによる表現の違い
ホームページを作るため、見るためにはブラウザと呼ばれるソフトが必要です。普段意識しないで使用しているインターネットの全てのページはテキスト(文字の集合体)で作られています。そのテキストに記録されたデザイン、各文章、構成を解釈し、視覚化するのがブラウザの役割です。
ブラウザにはさまざまな種類があります。飲料にたとえます。たとえばコーラ。同じコーラという商品でもでもコカ・コーラ、ペプシ、キリン、ダイドーなどの各メーカーから販売されており、メーカーによって味が違います。同じメーカーのコーラでも、ダイエットコーラや砂糖未使用コーラなどの種類があり、それぞれに特徴が変わります。製造時期などでも品質改良やコスト調整のために味が変わったりもします。ブラウザも同じようにさまざまなメーカーが存在し、さまざまなバージョンがあります。同じテキストデータを読み込ませても、ブラウザによって異なった表示結果となることがあります。
味の違いは味わいとして共存できますが、テキストデータの表示の相違は時としてデータ作成者の意図を超えた障害となることがあります。HTML5はこういった結果の相違をできる限りなくすことを第1目標として掲げています。
表現力の標準化
では、そもそもなぜこういったデータの表現の違いが生まれたのか。それは各ブラウザメーカの開発競争のためでした。インターネットのページデータはテキストデータですので、情報そのものには位置や色情報を文字で表現します。そうやって文字で表現されたデータをブラウザが解析し視覚化しますが、そういった解析が必要なコンテンツが多角化したことによります。図やイラスト、表だけではなく、インターネットのエンタテイメントかにより、音楽や動画のメディアファイル、ゲームをはじめとする動的なプログラムファイルさえもブラウザ上で表現する試みを各メーカで独自に進めていった結果、あるブラウザではできることがほかのブラウザではできない、といったことが生まれました。
結果としてこれまでのHTMLには作成者の使用するブラウザに合わせたデザイン仕様となり、その記述についてもデザイン表記の方法はその独自のものでした。
表現の記述が異なることはブラウザメーカにとっても好ましいことではありません。ブラウザメーカの使命とは、世界中のどんなHTMLファイルでも作成者の意図する表示に視覚化することだからです。記述方法がデザイン仕様について変わるため、その仕様にブラウザが合わせていくためには他メーカの仕様が変わるたびにブラウザの仕様も変えていかなければならない。
そこでW3C、WHATWGという機関により、これらの仕様の標準化が提案され、多角化されていたHTMLのバージョンの統一化が開始されました。これがHTML5です。
HTML5概要
HTML5には捕らえ方として2種類の意味があります。 広義の意味でのHTML5とは「OSの違い、ブラウザの違いに依らず表現される」HTMLであること。 狭義の意味では「4.01に続くHTMLバージョン」として理解されます。広義の意味でのHTML5にはHTMLファイルに記述される各付加機能の仕様が含まれます。一般的にはCSS3、ECMAscriptと呼ばれるものです。ECMAscriptはJavaScriptとして有名です。